革のこと / ツイストレザー
2020. 11. 19
PLANTではタンニンなめしの革をプロダクトの特性に合わせて数種類使い分けています。
例えば張りがあってピシッとした鞄を作る時やくたっとした落ち感を表現したい時など、使う革が違えば同じ形を製作しても雰囲気がガラッと変わります。
今回は中でもとても柔らかくヴィンテージ感溢れるレザー【ツイスト】をご紹介しようと思います。
ツイストはイタリアのサンタクローチェ地方にあるタンナーLo stivale社が製造する植物タンニンなめし革です。
バケッタ製法によりただオイルをくぐらせたものと違い、革の芯までオイルが染み込んでいます。このことにより手触りがしっとりしていて使うほどに美しい艶をまとってきます。
バケッタ製法で作られているだけでも十分に手間のかかる良い革なのですが、更に加工を施すことで独特の風合いを出しています。
表面に軽くバフ掛けをして起毛させた後、洗いをかけて繊維をほぐし、再びオイルを含ませています。
写真はブラウンをくしゃっと折り曲げてみました。柔らかさが伝わるでしょうか。
また、表面を覆い隠すことなく素のままの状態で仕上げているため革一枚一枚がどれも違う表情であることも特徴です。
シミや傷、油分など。ツルッとしているかと思えばシワシワな部分もあります。写真下は牛の背中の部分。シワが入っており一番コシのある部位です。
裁断したものを並べました。色ムラがあり均一な場所はほとんどありませんが、一つの商品を製作する時に出来上がりをイメージしてバランスを取るように裁断しています。
こちらは銀面と床面(革の表側と裏側のことです)
床面は銀面と違い起毛したままの状態です。
起毛したままの状態だと擦れて更に毛羽立ってしまうので製作時に布海苔で毛羽を抑えています。少し濃くなり、ツルツルの手触りに。
チラチラと見える筋は牛の血管の後で、一般的な呼び方かどうか分かりませんが私は血筋と呼んでいます。
革一枚につき、1箇所だけデシ刻印と呼ばれる数字が入ります。この数字はその革の大きさを表していて、1デシ=10cm×10cmです。製造過程でタンナーが販売するまでの管理に使っているものなので商品製作以降は特に意味のある数字ではありません。稀に商品裏側に入っていることもありますのでその時はラッキーと思っていただければと。
表面が柔らかいため、ミシンの踏み跡が残っています。使っていくうちに馴染んで分からなくなっていきます。
こちらがブラウンを半年ほど使用したもの。大分濃くなり艶も出ています。
写真上はグレーのグロサリーバッグ新品、写真下はスクエアウォレットを10ヶ月ほど使用したものです。
使い始めは綺麗なニュートラルグレーですが使い方次第でどんどんエイジングしていきます。
先日、一枚だけグリーンも仕入れたのでまた後日こちらを使用した商品もご紹介しようと思います。
ツイストレザーを使用した商品です
長くなってしまいましたが今回はこの辺で。
それではまた。