ロールトップリュック・ショルダーパッド / Field tools 2025
2025. 07. 5
Field tools 2025
今年から新たに”Field tools”と題した企画をスタートします。
フィールドと聞くとまず野原だとか野外といった意味を思い浮かべる方が多いかと思います。
もちろんアウトドア的な要素もありますが、領域・分野といった特定の環境を意味する言葉でもあり、本企画では日々制作しているプロダクトよりも更に自由に・特定の人に刺さる製品をスタッフ全員で考えてみよう、といった企画です。
6月後半から7月前半まで4週にかけて数型ずつリリースしていきますので是非ご覧いただけましたら幸いです。
今回は店主斎藤の制作したロールトップリュックとショルダーパッドをご紹介させていただきます。
アーバンスタイルなアウトドアバッグ / ロールトップリュック。
大容量なリュックに合わせて脱着可能なショルダーパッドもご用意しました。
完成にいたるまで
今回の企画”フィールドツールズ”というものを考えた時に、真正面からアウトドア系のバッグと向き合ってPLANT流に解釈したらどんなものができるんだろう?というのが好奇心として自分の中にありました。
本格的な登山用ザックをフルレザーで作ろうと思うとやっぱり重くなりすぎるし、かといって容量が小さいのではあまり意味がないなと考え、まずは比較的ライトなハイキング用のリュックを想定して作ってみようというところから始めました。
当初はポケットのたくさんついたクラシックで大きなリュック・ドローストリングリュックにかぶせをつけたようなものをイメージしていたんですが、これだとせっかくの企画なのに普段の製作とあまり変わらないなと思い始めて一旦白紙にしました。
しばらくアイデアが出るまで寝かしていたんですが、釣り針金具の留めが着脱しやすいのでここを部分的に活かした作りで再構築しようとリスタートしました。
釣り針金具の留めは良くも悪くも構造を選ぶので消去法的にフォルムを構築していった結果、今回のロールトップの形状に落ち着きました。
・簡単にベルト調整できるので容量調節ができる構造に向いている
・釣り針の脱着がカチッと決まった場所に取り付けるのに不向き
そこからバンジーコードのようなクロスした革紐を留めの構造と兼用することを思い立ち、ディティールがまとまっていきました。
大きなリュックを作るとなると必然的にたくさん収納したら重くなるので、あわせて肩当ても作ろうと同時に考えていました。以前からお客様からのリクエストがずいぶん多くて考え続けていたんですが、何種類かあるショルダーの作り全てに対応できるものがこれまでなかったんです。
とあるタイミングでお客様に着脱できるショルダーパッドって意外とないんだよね・という話を伺ってから”着脱できる”というところにフォーカスしていったら今回のリュックと調和していって完成に辿り着きました。
試作時に苦労した事・工夫したポイント
タウンユースなアウトドア指向のリュックであること、容量は確保しつつ男女問わず使えるサイズ感にまとめることをコンセプトとして試作を繰り返しました。とにもかくにも普段使いができるアウトドアリュックというのが念頭にあったので大きなPCや書類が標準で入って、ロールトップ部分でさらに+アルファを補完しようという容量を目指して作っています。
定番のドローストリングリュックSと並べてみるとぱっと見の大きさは大差ないように見えますが、ズドンとした胴体にマチ幅もたっぷり取っているのでしっかりと収納できるのを体感していただけると思います。
留め具には引っ掛けるタイプの釣り針金具を採用しています。このリュックの顔にもなっているバンジーコードに連なるように取り付けており、ワンタッチで簡単に付け外せるところが気に入っているポイントです。本体の柔らかさも相まって伸びも良く、背負っていると突っ張るので不意に外れることもありません。
くるくるとまとまっているロールトップ部分もミニバッグが作れそうな中々の量の革を使用しています。上部から手を入れると底まで距離があるので、ファスナーで開閉できるようにしています。
丸める時に自然なフォルムになるよう至る所に接ぎを入れています。縫われている場所が骨組みのような役割をしているので開け閉めする時に形を覚えていてくれるんですが、これが試作時に一番時間をかけて工夫したポイントです。
釣り針金具の受けのDカンベルトは背面に繋がるように通しています。ロールトップ部分にも荷物を詰めこんだ際に簡単に容量調整ができるよう、ピンのない無段階調節のバックルを使用しています。また、背負った際に背中にベルトが当たって気持ち悪いな・という方もいらっしゃると思いベルトを内側に収納できる楕円穴を空けています。
背面側には両側面にファスナーを付属していて、向かって左側は本体収納につながるダイレクトファスナー・右側は独立したファスナーポケットになっています。
ロールトップの構造上、出先で落ち着いて鞄を置けなかったりすると開け閉めがストレスになってしまうと思ったのでダイレクトファスナーを配置しています。これにより、メイン収納の背中側によく取り出すものを収納しておけばいざという時スムーズにアクセスできます。
すぐに取り出したいものや書類・Ipadなどはファスナーポケットに入れておくのがおすすめです。
取り出し口やファスナー周辺などの稼働する部分は柔らかなシビラボックスを使用しているのですが、底部分やショルダーを吊っている部分は強度やフォルムを保つ骨組みのようにしっかりとしたシビラリスシオをミックスしています。
使い込んでくたくたになっても自立してくれるよう、お客様の手に渡った後のことも考えて構築しています。
バンジーコードはキャップやキーホルダーを引っ掛けたりできるし、口元の巻き部分にはタオルケットを挟んだり思い思いにカスタムしてもらえればと思っています。
ロールトップリュックに合わせて作ったショルダーパッドは肩当たりが良くなるよう真ん中部分の革を逃がしています。少し特殊なカッティングですが、革が積層してゴツゴツしないような機能性も含めてデザインとしても一役買っています。
さらに低反発のクッション材を封入しているので、重い荷物を背負っていても食い込まないし、体感重量も軽減してくれる機能もしっかりと持たせています。
今回の企画用にリュックに2セット取り付けていますが、ワンショルダーのトートバッグやショルダーバッグなどかなり幅広いジャンルに対応しています。
ホックで簡単に取り外せるので、手持ちの鞄たちに気軽に付け替えて楽しむのもおすすめです。
PCを持ち運ぶお仕事の方や普段荷物の多い学生の方、ハイキングなどの行楽やイベント・1-2泊ほどの出張や旅行のお供にも
フルレザーで作られた大容量のリュックとしてはかなり軽量な部類に入ると思いますので、色々なシーンにあわせて持ち出していただけたら嬉しいです。
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店頭では先行して企画全12型販売中。オンラインショップは毎週更新していきます。
販売・受注生産期間は8/17(日)までとなります。